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古民家を学ぶ(連載2)–古民家の耐震とは                       

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古民家を学ぶ(連載2)–古民家の耐震とは                       

建物の石場建てや古民家の耐震、在来工法との違いについて

古民家の購入や再生を検討する際、伝統構法と在来工法の違いや、石場建てと呼ばれる構造の耐震性に不安を感じる方は非常に多いです。
壁が少なくて石の上に柱が乗っているだけに見えるため、本当に地震に耐えられるのかという疑問の声が上がっています。

結論として、古民家は建物を固めて耐える現代の住宅とは異なり、揺れながら力を逃がす独自の耐震構造を持っています。

この記事では、伝統構法と在来工法の違いを分かりやすく整理し、石場建ての仕組みや本当に危険な古民家の状態について詳しく解説します。

伝統構法と在来工法の違いとは?構造の根本的な考え方

古民家再生において最も誤解が起こりやすいのが、伝統構法と在来工法の違いです 。どちらも同じ木造住宅ではありますが、その構造原理は大きく異なります 。

在来工法の特徴:建物を固めて地震に耐える

現在の一般的な木造住宅に用いられる在来工法は、コンクリート基礎の上に土台を敷き、柱を立てて筋交いや耐力壁を設けることで建物を強く固める構造です 。地震や風の力に対して壁や接合部で抵抗するため、耐力壁の量や配置、金物の状態が耐震性の評価基準となります

伝統構法の特徴:揺れながら地震の力を逃がす

一方、古民家に多い伝統構法は、木組みや貫、柱、梁などが全体として働き、揺れを吸収していく構造です 。地震の際には建物が大きく揺れることもありますが、その柔軟な構造そのものが力を受け流し、元の状態に戻ろうとする性質を持っています 。

石場建てとは何か?古民家が受け継いできた構造の秘密

伝統構法の中心にあるのが、石場建てと呼ばれる独特の足元構造です 。

石の上に柱を直接立てる理由

石場建てとは、地面に据えた石の上に柱を直接立てる建て方であり、現代のように基礎に柱を固定しません 。言葉だけを聞くと不安に思えるかもしれませんが、固定されていないからこそ、地震の激しい揺れに対して足元から力を逃がすことができる理にかなった設計です

延石に土台と柱が乗っている様子
束石に柱が乗っている様子

瓦が落ちることで建物を守る仕組み

伝統構法の建物では、大きな地震の際に瓦が落ちることであえて屋根を軽くし、建物本体への負担を減らすことがあります 。現代の感覚では損傷のように思えますが、建物全体の倒壊を防ぎ、命を守るための先人の知恵として機能しているのです 。

「壁が少ないから危ない」は本当か?古民家の耐震性を正しく評価する

古民家を調査した際に、壁が少ないから耐震性が低くて危険だと指摘されることがしばしばあります 。

現代住宅のチェックリストでは測れない理由

伝統工法の建物はもともと壁で固めることを前提にしていないため、在来工法の基準だけで判断するのは慎重であるべきです 。同じ木造住宅でも構造原理が違えば診断の視点も変わるため、現代住宅のチェックリストをそのまま当てはめてはいけません

本当に危ない古民家を見極めるための維持管理と劣化リスク

伝統工法だから危ない、在来工法だから安全という話ではなく、重要なのはその建物が健全な状態を保っているかどうかです 。本当に危険な古民家は、古いこと自体ではなく、雨漏りの長期放置やシロアリ被害、柱や足元の石場の腐朽といった維持管理の不足による劣化が原因となっています 。


なんば建築工房の古民家再生総合調査

なんば建築工房では、伝統構法の古民家を未来へ受け継ぐために、古民家再生総合調査を行っています。
古民家鑑定・床下インスペクション・伝統耐震診断を通して、建物の状態を丁寧に読み解き、その古民家に合った再生の方向性をご提案します。

「この古民家、活かせるだろうか?」
そう感じたときは、ぜひ一度ご相談ください。古民家の価値を見極め、次の暮らしへとつなぐお手伝いをいたします。

なんばの古民家再生総合調査について

正田 順也 (まさだ じゅんや)

大阪生まれの奈良育ち。大学進学をきっかけに岡山へ移住し、住宅業界歴は30年超。
職人の伝統技術を活かすため、古民家再生・空き家利活用・地域づくりに力を入れている。

(一社)全国古民家再生協会岡山第一支部 代表理事
(一社)全国空き家アドバイザー協議会 岡山県倉敷支部 事務局長
町おこし団体 下津井シービレッジプロジェクト 事務局長
児島商工会議所 副会頭
2級建築士、宅建士、古民家鑑定士、古材鑑定士インストラクター

なんばの古民家を体験できる展示施設